当分野では、即時荷重インプラント治療などのアウトカム評価を目指した臨床研究のみならず,将来的に臨床に役立つ見込みがある基礎研究、とくに口腔内科学的研究を中心に推し進めている.研究を総括している正木准教授のもと近藤講師、向坊講師を中心したグループに加え、基礎医学分野との共同で下記のような研究を行なっている.
① インプラント治療のリスクファクターとしての骨質評価(コラーゲン架橋を指標とした)ロコモーティブシンドロームへの対応
② 睡眠時ブラキシズムと血中・唾液中クロモグラニンAおよびコルチゾール濃度の関係に関する研究
③ LIPUS(低出力パルス超音波)の創傷治癒促進効果に関する研究
④ 圧刺激や超音波刺激が歯肉上皮遺伝子発現に及ぼす影響に関する研究((株)伊藤超短波より委託研究)
⑤ セビメリン、ピロカルピンが唾液分泌作用に及ぼす直接・間接的影響に関する研究
⑥ インプラント治療のリスクファクターとしての遺伝子多型診断に関する研究
⑦ オステオカルシンが糖代謝におよぼす影響に関する研究
⑧ 高知県土佐町のコホートを用いたフィールド医学研究
研究チーフ紹介
中本哲自(元当分野准教授)
2019年4月に朝日大学歯学部口腔インプラント学講座教授に就任しました.
正木千尋(准教授)
1999年に広島大学歯学部を卒業後、歯科補綴学第一講座(現:先端歯科補綴学研究室,赤川安正教授)へ大学院生として入局し、赤川教授のもと、インプラントの表面性状と細胞接着に関する研究を行い,学位を取得。大学院終了後医員となり,米国アイオワ大学Prof. Clark Stanfordのもとへの留学から帰国後,広島大学の助手を経て,2005年4月当教室の助教として赴任した.現在はインプラントの臨床,研究のみならず,若手の指導,臨床実習の学生の指導,学生実習のチーフライターなどマルチに活躍しており大学人としての才能をフルに発揮してくれている.とくに臨床においては、日本口腔インプラント学会の専門医・指導医、日本補綴歯科学会の専門医・指導医として即時荷重インプラントの手術や治療に関する腕は抜群で、多くの患者から慕われ、また、医局員からも全幅の信頼を得ている貴重な人材である。かわいい3人娘の父親としての側面を持つものの,医局の仕事に忙殺され家族サービスが出来ないのが(本人は口に出さないものの)目下の悩みのようである.カラオケは真面目に歌うと上手だが、一定以上酔うとサザンオールスターズの唄をグチャグチャに歌ってしまうのが好きなのだが、最近はコロナで歌う機会が減って、医局の若手は本当の彼の姿を知らない(らしい).本当の彼の姿を知りたかったら、医局に残って大学院など考えてみましょう(教授の願い、らしい。。。)。
近藤祐介(講師)
2006年に広島大学歯学部歯学科を卒業し,同年愛媛大学医学部附属病院歯科口腔外科に臨床研修医として勤務した後,当医局に入局して大学院歯学研究科に入学,当分野中本准教授の研究チームに入り,歯科補綴治療介入におけるリスク因子である口腔乾燥症に対する薬物療法に関する研究に従事してきた.大学院在学中には中本准教授の指導を仰ぎつつ米国ロチェスター大学(当時)のMelvin教授のもとへ短期留学するなど積極的に研究を進めた結果,極めて質の高い研究成果が得られたことから彼の仕事はIFが4.0を超えるJPET (Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics)に掲載され,博士(歯学)の学位を授与されている.大学院修了後は,ポストの空きが無かったため特別研修員として当分野に在籍し、科研費(研究活動スタート支援)も採択され,大学院生を指導しながら研究を続け,2015年3月までNIHのMelvin教授のLab.に2年間研究休職して渡米し研究に従事していた.助教、病院講師を経て,令和元年に歯学部講師に昇格して活躍中.臨床医としては,日本口腔インプラント学会の専門医資格を得てインプラントセンターの診療に従事するとともに,学生に対する臨床教育にも積極的に取り組んでくれている.何と,ガッキーと星野源が婚約を発表した日に入籍した(らしい).
向坊太郎(病院講師)
2007年に鹿児島大学歯学部歯学科を卒業し,同年九州歯科大学附属病院に臨床研修医として勤務した後,当医局に入局して大学院歯学研究科を修了,当分野に在籍していた中本晢自(現朝日大学教授)の指導で,唾液腺研究に従事してきた.2015年に家族とともに渡米しNIHのMelvin教授のLab.で研究(とゴルフ?)三昧の生活を送っていたが,2018年3 月末に帰国し,科研も採択され久々に日本での活動を開始した.2017年にSan Francisco で開催されたIADRでSalivary Research Awardを受賞し,2018年にファーストオーサーでJBCとJDRにアクセプトされたことで、ゴルフだけでなく研究にも打ち込んでいたことが世界中の研究者に明らかになった(らしい,,,ではなく本当の話:Mukaibo T et al. J Biol Chem. 2018 ;293(17):6259-6268. ),
宗政 翔(助教)
2012年に九州歯科大学歯学部歯学科を卒業し,同年九州歯科大学附属病院に臨床研修医として勤務し,その後,当医局に入局し九州歯科大学大学院にて口腔再建リハビリテーション学を専攻した.当時、当分野に所属していた中本晢自(現朝日大学教授)の指導もあって,糖尿病の罹患時に生じる唾液分泌量低下に関するメカニズム探求を目指した研究に従事した.大学院在学中に積極的に研究を進めた結果,極めて質の高い研究成果が得られたことから,彼の仕事は医学系の糖尿病専門誌であるJournal of Diabetes (IF=3.213) に掲載され,博士(歯学)の学位を取得した.大学院修了後、NIH-NIDCRのJ. Melvin教授から誘いを受け、米国にてVisiting Fellowとして先端的な研究に取り組んでくれていたが,2019年4月に帰国し,当分野の助教として外来診療や学生教育に加え大学院生の研究指導などにも大活躍の毎日であるが,最近,コロナに振り回されている人生でもある.2020年に入籍は済ませたらしいが,コロナで披露宴が延期になり,コロナの収束を誰よりも待ち望んでいる一人(二人?)である,
野代知孝(助教・医局長)
2013年に福岡歯科大学歯学部歯学科を卒業後、同年九州歯科大学附属病院に臨床研修医として勤務し,その後,当医局に入局し九州歯科大学大学院にて口腔再建リハビリテーション学を専攻した.大学院では、本学生理学分野の小野 堅太郎教授の指導を仰ぎ、口内炎に関する疼痛の生理学的メカニズムについて研究を重ね、多くの学会で発表を行い、その成果はJ Dent Res (IF=5.125)に受理され大学院博士課程を修了した。その後、臨床にも研鑽を積み、現在、医局長として医局をまとめながら,診療や学生教育に従事している.医員就任時に応募したスタート支援の科研費が採択され,大学院の研究指導にも熱心に取り組んでいる.スターウォーズの熱心なファンで,ルーク・スカイウォーカーの故郷,タトゥイーン(Tatooine:アウター・リム・テリトリーのタトゥ星系に属した砂漠の惑星。ギャラクティック・コアから遠く離れた辺境の星で、双子の太陽の軌道を周回している)に別荘を構え,ランドスピーダーでドライブ(フライト?)に出かけるのが夢だそうだが,教授は彼が有能過ぎてダークサイドに堕ちないか心配している(らしい),
柄 慎太郎(特別研修員)
2010年に東京歯科大学歯学部歯学科を卒業し,同大学附属病院にて前期研修を終えた後,2011年に当分野に入局して大学院歯学研究科に入学,当大学薬理学分野の竹内教授(元九州大学准教授)の研究チームに入り,オステオカルシンに関する研究に従事してきた.竹内教授とは,広島学院高校の先輩後輩にあたり,優しい目で見つめられながら厳しい指導を受けたようであるが,そのおかげで自身の学位に関する仕事をBBRC(Biochem Biophys Res Commun.)に投稿した際,全くリバイス無しに一発acceptとなったという類い稀なる輝かしい経歴を持つ.一発屋などと言う声も聞かれるが,教授は2発目,3発目を期待している(らしい).現在,当医局の特別研修員として研究活動を続けている.
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牧野路子(特別研修員、福岡歯科大学歯学部講師)
2005年に九州歯科大学歯学部を卒業後、当分野に入局し大学院に進学.大学院在学中はインプラント治療のリスクファクターとして知られる睡眠時ブラキシズムと唾液中の精神的ストレス指標分子として知られるクロモグラニンAの関係に関する研究に取り組み、その結果を多くの国際学会で発表し世界中の注目を浴びた.大学院1年目において、2006年にオーストラリアのブリスベーンで開催されたIADRに提出した演題はArthur Frechette AwardにノミネートされFinalistとして講演した.さらに2007年、米国ニューオリンズで開催されたIADRでは、Colgate Oral Health Research Awardを受賞している(左の一番下の写真).2009年3月に博士号学位を取得し大学院を修了した.2010年、福岡歯科大学歯学部高齢者歯科学分野の講師に就任したが、福歯大内藤教授の了解を得て不定期に当分野で後輩の研究指導にあたっている.益々婚活中(らしい).