当分野では、即時荷重インプラント治療などのアウトカム評価を目指した臨床研究のみならず,将来的に臨床に役立つ見込みがある基礎研究、とくに口腔内科学的研究を中心に推し進めている.研究を総括している中本准教授のもと正木助教と近藤助教を中心したグループに加え、基礎医学分野との共同で下記のような研究を行なっている.
① インプラントの即時荷重のリスクファクターに関する研究
② 睡眠時ブラキシズムと血中・唾液中クロモグラニンAおよびコルチゾール濃度の関係に関する研究
③ 臓器移植患者の口腔関連QOLに関する臨床調査研究
④ 圧刺激や超音波刺激が歯肉上皮遺伝子発現に及ぼす影響に関する研究((株)伊藤超短波より委託研究)
⑤ セビメリン、ピロカルピンが唾液分泌作用に及ぼす直接・間接的影響に関する研究
⑥ インプラント治療のリスクファクターとしての遺伝子多型診断に関する研究
⑦ Thymosin β4が骨代謝におよぼす影響に関する研究
⑧ 進行性骨化性線維異形成症とBMPシグナルに関する研究
研究チーフ紹介
中本哲自(准教授)
1996年に東北大学歯学部を卒業後,広島大学歯科補綴学第一講座(現:先端歯科補綴学研究室,赤川安正教授)へ大学院生として入局後,臨床の腕を磨きつつ歯科生理学講座(柴芳樹教授)のもとで細胞生理学の研鑽を積む.学位取得後,松山日赤病院歯科口腔外科への勤務を命じられ臨床に専念するも研究への情熱を捨てきれず,2003年2月に米国ニューヨーク州ロチェスター大学Center for Oral BiologyのProf. James Melvinのラボにポスドクとして採用され渡米する.渡米後1年で正式なファカルティに昇進し,Research Assistant Professorとしてラボの若手を率いて基礎研究に没頭する.その間,さまざまな細胞膜上のチャネルやトランスポーター関連遺伝子のノックアウトマウスの機能解析を細胞内カルシウム,細胞内pH変化などの分泌関連シグナル,PCRなどを用いた遺伝子の発現だけではなく,灌流腺組織を用いた『分泌』という実際に目に見える生命現象を通して明らかにし,多数の論文を発表した.中でも、最近、筆頭著者としてJournal of Biological Chemistryに掲載された論文は、多方面から注目を集め、海外からの問い合わせも多い。また、基礎研究の臨床への展開として、唾液腺におけるカリウム分泌に関する研究は口腔乾燥症の診断方法として臨床応用につながる有用な知見であり,今後の展開が期待されている.米国の研究室から惜しまれつつも,2008年3月に帰国し,同4月本学に助教として赴任し,多数の大学院生を指導しつつ結果を順調に蓄積している.2011年,准教授に昇格し当分野の研究における中心的存在として活躍中.院生に研究の指示を出すときのメールに自分のことを「ひつじ」と書くことがあるが、本当に可愛らしい「ひつじ」かどうかは定かでない(らしい).
正木千尋(助教)
1999年に広島大学歯学部を卒業後、歯科補綴学第一講座(現:先端歯科補綴学研究室,赤川安正教授)へ大学院生として入局し、赤川教授のもと、インプラントの表面性状と細胞接着に関する研究を行い,学位を取得。大学院終了後医員となり,米国アイオワ大学Prof. Clark Stanfordのもとへの留学から帰国後,広島大学の助手を経て,2005年4月当教室の助教として赴任した.現在はインプラントの臨床,研究のみならず,若手の指導,臨床実習の学生の指導,学生実習のチーフライターなどマルチに活躍しており大学人としての才能をフルに発揮してくれている.とくに臨床においては、日本口腔インプラント学会の専門医として即時荷重インプラントの手術や治療に関する腕は抜群で、多くの患者から慕われ、また、医局員からも全幅の信頼を得ている貴重な人材である。かわいい3人娘の父親としての側面を持つものの,医局の仕事に忙殺され家族サービスが出来ないのが(本人は口に出さないものの)目下の悩みのようである.カラオケは真面目に歌うと上手だが、一定以上酔うとサザンオールスターズの唄をグチャグチャに歌ってしまうのが好き(らしい).
近藤祐介(助教)
2006年に広島大学歯学部歯学科を卒業し,同年愛媛大学医学部附属病院歯科口腔外科に臨床研修医として勤務した後,当医局に入局して大学院歯学研究科に入学,当分野中本准教授の研究チームに入り,歯科補綴治療介入におけるリスク因子である口腔乾燥症に対する薬物療法に関する研究に従事してきた.大学院在学中には米国ロチェスター大学のMelvin教授のもとへ短期留学するなど積極的に研究を進めた結果,極めて質の高い研究成果が得られたことから彼の仕事はIFが4.0を超えるJPET (Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics)に掲載され,博士(歯学)の学位を授与されている.大学院修了後は,特別研修員として当分野に在籍し科研費(研究活動スタート支援)も採択され,大学院生を指導しながら研究を続け,現在は助教として活躍中.臨床医としては,日本口腔インプラント学会の認証医資格を得てインプラントセンターの診療に従事するとともに,学生に対する臨床教育にも積極的に取り組んでくれている.パートナー募集中(らしい).
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牧野路子(特別研修員、福岡歯科大学歯学部助教)
2005年に九州歯科大学歯学部を卒業後、当分野に入局し大学院に進学.大学院在学中はインプラント治療のリスクファクターとして知られる睡眠時ブラキシズムと唾液中の精神的ストレス指標分子として知られるクロモグラニンAの関係に関する研究に取り組み、その結果を多くの国際学会で発表し世界中の注目を浴びている.大学院1年目において、2006年にオーストラリアのブリスベーンで開催されたIADRに提出した演題はArthur Frechette AwardにノミネートされFinalistとして講演した.さらに2007年、米国ニューオリンズで開催されたIADRでは、Colgate Oral Health Research Awardを受賞している(左の一番下の写真).2009年3月に博士号学位を取得し大学院を修了した.今年度より、福岡歯科大学歯学部高齢者歯科学分野の助教に就任したが、福歯大内藤准教授との共同研究のため毎月1回当分野で後輩の研究指導にあたっている.益々婚活中(らしい).




