齲蝕歯髄疾患制御学分野

分野紹介

「歯の治療学」を専門とする分野

 一般歯科治療は,歯の治療,歯周組織の治療,および歯の欠損を回復する治療に大別されます.当分野は「歯の治療学」,すなわち歯の硬組織疾患(齲蝕や破折等)および歯髄(一般にシンケイと呼ばれる)や根尖歯周組織(歯根の先)に生じた疾患の治療学(歯内治療学・外科的歯内治療学)と,治療した歯を審美的に機能回復する治療学(保存修復学,歯の審美・機能回復学)を専門としています.

 現在,当分野は保存修復治療学・歯内治療学という限定された枠を越え,「歯の治療学」に関する臨床・研究・教育を行う分野へと進化しています.

臨床・研究・教育のテーマ

当分野では,各スタッフが臨床・研究・教育を以下に掲げるテーマのもとに実践し,バランスのとれた3領域の融合を行うことを目標にしています.

臨床:「歯の治療を高精度に実践する!!」

研究:「世界でいちばん歯科医学を楽しむ!!」

教育:「歯科医療のコアを教育する!!」

臨床:「歯の治療を高精度に実践する!!」

 当分野スタッフは附属病院では主に「保存治療科」で診療しています.保存治療には歯の治療および歯周治療の両者が含まれますが,保存治療科は歯科用マイクロスコープ等を駆使した「高精度な歯の治療」を専門とする診療科です.主として歯の疼痛治療(マイクロ・エンドドンティックス,外科的歯内治療,および難治性歯原性疼痛治療),および審美治療(ホワイトニング,コンポジットレジン修復からオールセラミッククラウンまでの1歯単位の治療)を行っています.重篤な炎症症例は口腔外科と,多数歯を喪失した症例は義歯科やインプラントセンターと,歯列不正を伴う審美治療症例は矯正歯科と連携して治療にあたります.

研究:「世界でいちばん歯科医学を楽しむ!!」

 当分野では,歯および骨を含む根尖歯周組織をターゲットとした「再生治療の確立」,「高精度な診査・治療機器の開発」,「臨床エビデンスの解析と応用」に関する研究を行っています.各スタッフは時間・空間・ヒトを有効活用し,「マルチ・プレイヤー」として様々な研究を同時進行で実践し,楽しみながら歯の治療に関する様々な先端的研究を行っています.

教育:「歯科医療のコアを教育する!!」

 当分野は歯科医療のコアを教育しています.歯学科の臨床基礎(3年生)では「保存修復治療学」,「歯内治療学」,「歯の審美・機能回復学」の講義・実習を通して「歯の治療学」に関する基礎教育を,臨床実習(5,6年生)では臨床推論力と基本技能に関する実践教育を行っています.臨床研修歯科医師に対しては,歯の治療学に関する基礎トレーニングとスーパーバイザー指導下での臨床実践を通し自立心を育てる教育を行っています.大学院教育では,大学院生が最終段階で批判的判断力,諦めない持続力,高次元への探求心を修得することを目標に世界基準の研究を通した教育を行っています.また大学院では歯の疼痛治療修得の一貫として漢方治療やペインクリニックに関する教育も行っています.さらに臨床セミナーを開催し,偏りのないバランスのとれた博士(歯学)および専門医を養成しています.