Case3
下顎頭の変形
 
  患者:35歳 女性 主訴:開閉口時の顎関節の痛みと開口障害  

TMJパノラマX線写真(閉口時・開口時)

 

両側顎関節部の形態異常はパノラマX線写真で示したものと同様である。両側下顎頭の運動状態は開口時の位置変化が関節結節より後方にあるため制限されている。

オルビトラムス法

 
両側下顎頭は、運動制限のため頭上縁部は確認できない。右側下顎頭は、形態的に狭小化している。しかし、それ以外に両側下顎頭、顎関節窩及び関節結節形態に明らかな異常所見は認めない。 診断:両側性の顎関節部変形症 。
 
パノラマX線写真



両側下顎頭(特に右側)は頭頂部に線状のX線不透過線が認められない。特に、右側は正常な下顎頭形態が消失し、下顎頭の狭小化と鋭利化が生じている。また、左側下顎頭前方部は辺縁不整な骨欠損を認める。骨欠損部の形態は陥凹状態を呈している。右側顎関節結節も鋭利化し、右側下顎窩も平坦化している。但し、左側関節結節及び下顎窩はintactである。 前歯部は開咬を呈している。 右側下顎3歯根尖部に連続する不整形を有するX線不透過像を認める。線維性骨異形成症の所見である。 全歯牙周囲の頂部歯槽骨は歯根1/3レベル程度の吸収を示している。軽度の辺縁性歯周炎の所見である。
 
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