Case4
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パノラマX線写真

・左側上顎1、2、3、4、5根尖相当部に過剰埋伏歯歯冠を含む単房性で楕円形のX線透過像を認める。境界明瞭、辺縁平滑で、周囲の一部には硬化像を伴っている。大きさは、長径約5.0 cm程度である。病変内部のX線透過性は軽度で、特に左側上顎洞前方部と重なっている領域は不透過である。但し、骨梁構造はほとんど認められない。・病変と重なっている左側上顎1、2、3、4、5歯根で、1、4、5根尖部は欠損しているように見える。しかし、左側上顎2、3に欠損はない。・病変と接するもしくは重なっている左側梨状孔及び左側鼻腔底(硬口蓋)に変化はない。 そのため病変の両領域への進展はないと判断できる。
しかし、左側上顎洞前方底線及び前壁線の洞中央レベル迄は病変rimと連続し不明瞭化している。左側上顎洞前方部への病変の進展を意味している。

口内法X線写真

・左側上顎2、3、4、5根尖相当部に過剰埋伏歯歯冠を含む単房性で類円形のX線透過像を認める。境界は若干不明瞭で、辺縁は平滑である。 病変内部のX線透過性は軽〜中等度で、病変後方の一部には骨梁構造を認める領域もある。病変と重なっている左側上顎2、3、4、5歯根でパノラマX線写真上欠損して見えた4、5根尖部は歯根が短小なだけで欠損はない。また、左側上顎2、3歯根にも欠損はないが、歯根膜腔は確認できない。

PA view

・左側上顎前歯部歯冠を含む単房性で類円形のX線透過像を認める。境界明瞭で、辺縁平滑、周囲の一部には硬化像を伴っている。大きさは長径5.5 cm程度である。病変のrimは左側鼻腔及び左側上顎洞中央レベル迄重なっている。また、病変に接する上顎洞前方底部のrimは右側と比較して不明瞭化している。同部への病変の進展を示している。

Water’s
projection

・左側上顎洞前方底部に類円形のX線不透過像を認める。境界明瞭、辺縁平滑である。大きさは長径4 cm程度である。病変と接する上顎洞底部内側壁のrimは不明瞭化している。左側上顎洞は全体にわたり軽度の不透過性亢進を示している。軽度の炎症性変化を示している。

X線CT写真
(軟組織&
   骨モード)

・左側上顎1、2、3、4、5根尖相当部に過剰埋伏歯歯冠を含む単房性で楕円形のwater density structureを認める。境界明瞭、辺縁平滑である。大きさは長径3.5 cm程度である。病変内部のCT値は測定していないが、その色調は筋よりも暗く液性成分を示している。病変と接する唇側皮質骨及び左側上顎洞前方部は膨隆し、菲薄化を示している。一部は消失している部分もある。歯牙用構造物を含む良性嚢胞性腫瘤である。病変の進展範囲は、左側上顎1、2、3、4、5根尖相当部から左側上顎洞前壁と内側壁の移行部を上顎洞中央レベル迄広がっている。左側上顎1、2、3根尖を含んでいる。病変と接する切歯孔左側は圧迫変形しているが、消失はない。また、左側鼻腔及び正中を越えて右側上顎骨への進展はない。左側上顎洞内で病変後方部に貯留嚢胞と思われる不整形のsoft tissue density structureを認める。病変は上顎洞形態に沿って形を変えている。また、病変に接した壁に欠損はない。

 
診断 左側上顎過剰埋伏歯歯冠を含む含歯性嚢胞