Case2
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パノラマX線写真

・右側下顎3、4、5、6周囲歯槽骨に境界不明瞭、辺縁不規則なX線透過像を認める。
そのため、右側下顎3、4、5、6は浮遊歯の状態である。
・ X線透過性を示す領域は、歯槽頂部で広く顎骨内に入る程狭くなっており、いわゆる杯状を呈している。 大きさは長径4.5 cmである。
・X線透過領域は下顎管レベル迄であり、そのため同部を走行する管は不明である。
・オトガイ孔も認められない。X線透過性を示す領域の端部には歯槽骨の残存を示す網状構造のX線不透過像を認める。

・全歯牙周囲の頂部歯槽骨は歯根1/2レベル迄の吸収を示している。特に、右側上顎4遠心部は著明である。重度の辺縁性歯周炎の所見である。
・両側上顎6、7及び右側下顎6歯冠は欠損し、歯根が残存している。

X線CT写真

・右側下顎3、4、5、6周囲歯槽骨に境界不明瞭、辺縁不規則な軽度の造影効果を持つsoft tissue density structureを認める。
Structureは歯槽頂部形態に沿って広がっており、大きさは長径3.5 cm程度である。
・ Structureは下顎骨に浸潤しているため、骨は頂部から消失している。病変と接する頬側皮質骨は根尖より8 mm下方レベル迄消失している。
・ 舌側皮質骨も根尖レベル迄は消失し、それより下方では皮質骨の連続性が消失し、断続化している。
・ 骨の消失している領域よりStructureは周囲軟組織に広がっており、舌下腺上方部には腫瘤塊と思われる造影効果を持つsoft tissue density structureが認められる。

・ 頬側部では、同部の広頸筋は腫脹・不明瞭化し、周囲脂肪組織も混濁化を呈している。病変の浸潤に伴う炎症性変化である。

・所属リンパ節に関して明らかな転移を示唆する径、形態及び内部性状を示すものは認めない。

診断 右側下顎3、4、5、6周囲部の歯肉悪性腫瘍とその顎骨浸潤
リンパ節転移はなし 病期診断:T4N0Mx