口腔(こうくう)癌は男性の癌の4%、女性では2%くらいであまり頻度の高い癌ではありませんが、年間約6,000人の方が罹患しており、高齢化社会の進行とともに患者さんの数は増加しています。口腔癌で最も多いのは舌癌で、歯肉癌、口底癌、頬粘膜癌などが続きます。口腔癌の危険因子として重要なものは喫煙と過度な飲酒です。特にその両方が重なると危険度は大きく増します。その他に不潔な口腔環境、合わない入れ歯や放置された虫歯などによる刺激も良くありません。
口腔は顔という個人を象徴する重要な部分を構成しており、“食べる”、“話す”、“呼吸する”という生活の質に大きく関わる部分です。身近に患者さんがあまり居ないせいか、少し関心が薄いようですが、この部分に生じる癌は直接生命に関わるのみならず、“生活の質”にも重大な影響を与えることになりますので、ぜひ、早期発見に関心を持ちましょう。
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