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会長:木村光孝教授 |
「特に口腔外科、歯科保存、小児歯科、歯科放射線、口腔病理関連との連携を密に図り、明日からの臨床に役立つ外傷歯に対する新しい治療方針を目指した医療最前線でありたい」
日本外傷歯学会は、1995年の第六回国際外傷歯学会を東京で開催後、日本における外傷歯学会の重要性を考え、平成10年に設立された。なお、国際外傷歯学会は1984年に始まり、1989年のStockholm (Sweden)において第一回大会が開催されて以来、第十二回大会が2001年にBoston (USA) With Sport Dentistryで開催されている。
厚生省(当時)が始めた8020運動は、齲蝕や歯周病による歯の喪失をにらんだ運動であったが、歯の喪失の原因には外傷による喪失も存在しており、それは齲蝕や歯周病に関係なく、低年齢児から若年者に至るまで臨床の場で度々遭遇する。
外傷歯学の分野は、基礎と臨床の双方の知識と経験、さらには技術を必要としており、接着技術の進歩により飛躍的に外傷歯の保存の可能性が高まり、新しい治療方針に向かって今もさらなる研究が進められている
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こうした背景から、さらなる飛躍が望まれる日本外傷歯学会の将来展望は、国際外傷歯学会と密に連携を図り、今後も日本外傷歯学会が日本国内にとどまらず、アジア諸国・地域、さらには世界の歯学研究者や臨床家との橋渡しを行い、より優れた治療法などの情報交換の場としての機能を果たしていく必要がある。国内外に共通の目的を持った臨床家のための新しい治療法への発展を目指した学会になるように日本外傷歯学会の未来に期待を寄せている。
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