Case2
歯肉癌による上顎洞穿孔
 
     

パノラマX線写真

 

右側上顎5遠心部から右側上顎結節にかけた上顎骨(歯槽骨を含む)は消失し、境界不明瞭なX線透過性の亢進を示している。右側上顎洞底線及び後壁を表す線の下方部は消失している。また、右側パノラマ無名線の下方部とそれに連続する右側頬骨下縁も消失している。また、欠損を示す上顎骨から上顎洞底部には腫瘤陰影を表す軟組織レベルのX線不透過像により置換されている。また、骨欠損は歯槽頂部骨で広く、頭側にいく程狭くなっている。上顎歯肉悪性腫瘍の顎骨浸潤の所見である。但し、翼突窩を取り巻く骨及び窩の大きさはintactであり、腫瘍の浸潤は否定である。
全歯牙周囲の頂部歯槽骨は歯根1/2レベル迄の吸収を示している。軽〜中等度の辺縁性歯周炎の所見である。

Waters法X線写真

 
右側上顎洞全域に渡りX線不透過性の亢進を示している。更に、右側上顎洞底後壁部にかけて頬骨歯槽陵は完全に消失している。右側頬骨はX線不透過性亢進を示し骨化が進行していることを示している。

 

P-A view

 
右側上顎骨大臼歯部、右側上顎結節及び右側頬骨下陵は完全に消失している。それに伴い、TM線(上顎隆起線)も消失している。
     
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