
【3連問の1問目】
60代の男性。左側顎下腺相当部の腫れを主訴として来院した。MRI写真を次に示す。
病変が認められる隙はどれか。
○ 顎下間隙
× 舌下間隙
× 咀嚼筋間隙
× 耳下腺間隙
× 椎周囲間隙
【解説】
病変の中心が顎下間隙内にあり、顎舌骨筋の下外側にあるとき、病変の由来は顎下間隙と考えられる。
また、対側を見てもわかるように、病変は顎下腺を置換している。以上より、顎下間隙由来と考えられる。
【3連問の2問目】
顎下間隙に含まれないものはどれか
× 顎二腹筋前腹
× 顎下腺
○ 舌下腺
× 顎下リンパ節
× オトガイ下リンパ節
× 顔静脈、動脈
× 舌下神経
× 脂肪
【解説】
顎下間隙に含まれる主な正常構造物は、...、である(2012年Teaching file 正常像のページ参照)。
覚えよう。
【3連問の3問目】
この画像所見から、可能性が高いと思われる病変はどれか。
× 原発性の扁平上皮癌
× 転移性リンパ節
○ 腺様嚢胞癌
× ワルチン腫瘍
× 横紋筋肉腫
× 血管腫
【解説】
病変は顎下間隙由来である。そして、病変は一部分葉状を呈しています。
境界は、前回と比較すると不明瞭化し、辺縁形態はスムーズ性を欠いています。
病変に接する皮質骨が不明瞭化し、顎骨内の信号変化も認められます。
病変の顎骨への浸潤と考えられる。以上より、左側顎下間隙に発生した悪性腫瘍を疑います。
顎下間隙由来であることより、やはりまずは顎下腺(腺細胞)由来の悪性腫瘍を考えると思います。
よって、腺様嚢胞癌の可能性を考えるのは◎と思います。
ただし、この病変は病理所見より、扁平上皮癌の顎下リンパ節への転移でした。
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$ ことから原発性の扁平上皮癌の可能性は低いと思います。
ワルチン腫瘍は耳下腺間隙原発がほとんどであることから可能性は低いと思います。また、悪性腫瘍を示唆する所見より、非常に考えにくいと思います。
顎下間隙由来であることから、横紋筋の腫瘍である横紋筋肉腫は考えにくいと思います。
血管腫はどこの間隙でも考えられる病変ですが、悪性腫瘍を示唆する所見を考えると非常に考えにくいです。
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